『デュアルライフ』で
欲張りな時間を

〜花見シーンによって使いこなすコートの着こなし術〜

あるときは、彼女と二人、
おしゃれな大人の花見を楽しむ。
あるときは、気の置けない仲間たちと、
太陽の下で花見に興じる。

これは、東京と長野、
二つの場所・二つのライフスタイルを
股にかける物語。
デュアルライフという、
新しい・欲張りな選択肢が、
春の楽しみ方を、変えていく。

「もうすぐだね。」
声をかけると、彼女はうなずいてから
上を向いた。
その目線の先には、川の左右一面を彩る
夜桜がある。

今日は久しぶりに長野の友達と会った後、
彼女と夜デート。
4月の夜、まだ肌寒い空気の中、
僕たちは目黒川で、
船が動き出すのを待っている。
夜の花見クルーズを楽しみに来たのだ。

花見と言えども夜は冷えるから暖かい装いで
「おしゃれを楽しみたい。」
この寒さ対策には失敗した事数しれず。
楽しさが半減してしまう苦い思いは
幾度としてきた。

夜の川を船で渡ると、思いのほか肌寒い。
その分だけ、お互いの体温が、
つないだ手から伝わってくる。
僕が着ている島国コートと、
彼女が着ているバックギャザートレンチコートのおかげで、
身体から温もりが失われていないのだろう。

ライトアップされた夜桜を見ていると、
やがて船がうなり声をあげて動き出す。
夜桜は、ライトの光と影を受けて、
見る角度によって表情を変える。
可愛らしい素顔を見せることもあれば、
どこか妖艶な雰囲気を漂わせる瞬間もある。

──目黒川の夜桜、奇麗だな。
東京で仕事をしていると、
普段はどの場所も同じ風景に見えてしまう。
でも、彼女と二人、こうして夜桜を見ていると、
まるで別世界にいるようだ。

4月の東京は暖かく、
出歩くなら軽く羽織れるもので十分。
だから、この時期僕は
EELのサクラコートを着ている。
今回のクルーズも、着ていくつもりだった。

そこに彼女の一言。
「夜はまだ寒いから、少し暖かい恰好して行った方がいいかもね。」
大当たりだった。

夜風と、温もりと、夜桜。
五感をフルに使って花見を楽しめたのは、
なんだか、久しぶりだった。

「さて、飯にするか。」
そう友達が言うと、
みんなそれぞれが持ち寄った
弁当・お菓子・お酒を、
レジャーシートの上に
次々と置いていく。
誰が言い出すということもなく、
いつもの、毎年の営みが始まる。

長野・松本城。
国宝として知られ、
地元では有名な花見スポット。
僕も幾度となく訪れ、
同じ顔触れと飯を食べ、酒を飲む。

ただ、いつもと違うところもある。
今日は夜から、東京で
彼女とのデートを控えている。
だから、お酒は控えめにすると伝えた。

若干の冷やかしを受けつつも、
誰もそれをとがめることはない。
相手のことを尊重する関係性が、
できているから。

限られた時間の中で
目いっぱい遊び倒すため、
アウターはand wanderの
weave windyを選んだ。
バカみたいにはしゃいでも、
フリスビーで遊んでも、
蒸れずに快適なままだ。
デートは夜だから、東京に着いたら
コートに着替えるけど、
時間は十分ある。

いつか、彼女をここに連れてくる日が
やって来るだろう。
その時彼女は、77circaのコートを
羽織るのだろうか。
彼女は活動的だし、気立てもいいから、
きっとすぐに打ち解けられるはずだ。

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