仕事はあくまでも仕事だから、手を抜かないために、
必要なものをきちんと選んで使う。
でも、プライベートも兼用できた方が、
自由度は高いはずだ。

仕事中心の生き方から、人間らしい暮らしへ。
新しい暮らしにシフトしたいと考えたとき、
自分のそばにあるものを見直してみる。

答えを導いてくれるのは、
二人の時間が切り替わる、デュアルライフ。
今が一番楽しい二人の、
新しい生活をのぞいてみよう。

NAOKI NAOKI

「かしこまりました。宜しくお願い致します。」
先方に確認の連絡を入れ、
これからパワーランチに向かう。

長野の拠点から、新幹線でおよそ1時間半。
週4日東京で仕事をして、
残りの3日は長野に帰る生活を、
1年ほど続けただろうか。
リモートワークは週に1日認められているため、
社内でも終わるような仕事は
長野に持ち帰るようになった。

最近、もっと移動しやすいバッグが欲しくて、
半同居人のカナからすすめられた、
nuncのバックパックを買ってみた。
選んだ決め手は、
ラップトップを積んでも重くないこと。
どこに移動するにせよ、何を運ぶにせよ、
とにかく軽いのだ。

『Daily Backpack』 ブランド名:nunc(ヌンク)
ブラック

二つ折り財布を確認し、万一クレジットカードが
使えなかった場合に備えておく。
ED ROBERT JUDSONの財布は、
小銭入れ部分がガマ口になっているので、
使いやすくて気に入っている。

打ち合わせの中で、
今回の企画について説明する。
地方活性化の成功例を紹介する
WEBマガジンの立ち上げについて。
その中で、自分の体験を活かし、
デュアルライフについても触れるつもりだ。

正直、今回のやり取りなら
チャットワークで終わる話だった。
しかし、あえて対面で話すことが、
信頼関係を構築するのに
役立つことを知っているから、
直接話をするための時間を作る。
人間関係の密度が濃い、
長野での体験から学んだことだ。

感触を確認した後、会計へ。
僕がビジネス用に使っている、
La Barba製・マネークリップ式の
ウォレットを取り出す。

フォーマルな場でも違和感なく使える、
洗練されたデザインにほれ込んで購入。
もちろん、問題なくクレジットカードは使えた。

「それ、素敵なデザインですね。」

肌に吸い付くような滑らかさが、
思わず先方の目に留まったようだ。

「これ、Labarbaのオリジナルブランドなんですよ。」

そう答え、僕たちは店を後にした。

偶然、カフェでナオキに出会った。
駅前の取引先に足を運んだ帰り道、声を上げた。

彼とは同い年で、何となく馬が合った。
仕事の縁で一緒になった仲だが、
今では長野で一緒に過ごすこともある。
今日は東京にいると聞いていたが、
予定が早く片付いたのだろうか。

Standard SUPPLYの小さめのトートバッグに
資料を詰め込み、
私は来週のトークイベントについて
先方と話をしてきたばかり。
トートバッグなのに、
便利なポケットがたくさんついていて、
細かい気配りができるバッグなのが
気に入って選んだ。
中身をすっきりと分けられるので、
仕事・プライベート問わず使っている。

これから休憩をはさみ、
打ち合わせのため東京に行こうか、
というところで彼に出会った。

「お疲れ。カナはこれから東京行くの?」
「うん。そのつもり。そのまま泊まるけど大丈夫?」
「いいよ。僕は今日から長野にいるから、
好きに使って。」

私たちは、それぞれの拠点をシェアしている。

私はもともと長野暮らし。
クラウドソーシングで行っていた
イラストレーターの仕事が軌道に乗ってきたので、
東京に進出しようと思っていた。

しかし、家賃の問題もあって
どうしようか悩んでいることをナオキに相談したら、
自分も長野で過ごしてみたいから、
お互いの家を使わないかと提案があった。
こうして、ナオキはプライベートを長野で過ごし、
同じタイミングで私は仕事のため
東京に向かう生活が始まった。

長野の部屋は2DKだし、
彼は基本ミニマリストだから、
東京の部屋にほとんど荷物はない。
私はパソコンと着替えを持って行き、
仕事するときは机を借りて、
布団のシーツを替えて寝るだけでいい。
同じ部屋で寝る場合は、
私が空気で膨らむベッドを使えば問題ない。

ナオキと初めて会った時、
彼の顔が少し疲れていたのを思い出す。
もともとおじいちゃん子で、
田舎の山を駆け回ってたと聞いていたから、
彼にとっては自然に触れあえる
いい機会だったのかもしれない。
最近彼が新しく買ったMTBは
きちんと整備されており、
私もちょっとした外出に使ったりする。

確か、親しくなったきっかけは、
iroseの名刺入れから名刺を取り出して渡した時だ。

「その名刺入れ、縫製してないんですか?面白いなあ。」

バリバリのビジネスマンだと思っていたが、
意外と人間味のある感想に驚いたのを覚えている。

私も、全く縫製していないのに、
きちんと名刺入れになっているという、
その発想が気に入って選んだ。
そこから話が弾み、
私も色々と相談する仲になってから、
拠点をシェアする話が出たのだった。
ユニセックスなデザインだったことも、
ナオキの気をひいたのかもしれない。

「じゃ、お先に。」
また細かい持ち物チェックが入る前に、
会計を済ませる。
RENのミニウォレットは、どこに入れても
かさばらないから、長年の私のお気に入り。

『ソラム・ミニウォレット』 ブランド名:REN
グリーン/チャコール/キャメル

いつか、完全に一緒に暮らす日は来るのだろうか、
とも思うが、今のところその気はない。
今が一番、楽しい時期だから。
きっと、ナオキも同じ気持ちだと思う。

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