みんなで幸せになろうとする人の挑戦を、全力で応援する会社でありたい〜モテたいの先には、トリプルWinという答えがある〜 みんなで幸せになろうとする人の挑戦を、全力で応援する会社でありたい〜モテたいの先には、トリプルWinという答えがある〜

株式会社バルバコーポレーションの旗振り役として、
「トリプルWin経営」を実践している代表・佐藤太一。
そんな彼の信条は
「お客様・スタッフ・社会の全員が幸せになる」こと。

若い頃、ただ異性にモテたかっただけの青年は、
いつしか、従業員やお客様だけでなく、
国・世界・環境にさえも
モテたいと考えるようになっていました。
経営者として、人として、
より広いスケールで「十方良し経営」を実践することが、
バルバコーポレーションの新たな社是となっています。

自分の「カッコいい」をお客様に押し付けていた。

─ アパレルという仕事に出会ったきっかけを教えてください。

佐藤:一言でまとめると「モテたい」願望が人一倍強かったからだと思います。いい服を着て、髪型キメて、とにかくカッコよくなりたかった。もっとも、そんな単純な動機だったから、最初のお店は3ケ月でクビになってしましたが(笑)。要するに、自分の「カッコいい」をお客様に押し付けていたんですよね。 

─ 提案ではなく「押しつけ」だったと。

佐藤:そうです。お店をクビになるっていうのは、当時の自分にとってダメージが大きかったので、そこから考え方が変わりました。お客様がカッコよくなってくれないと、喜んでくれないと、アパレルとしてはプロ失格なんだなと。そこから長年かけて、洋服を新調する・着こなすことで、その人の中で新たに生まれるエネルギーについて考えました。

自分の「カッコいい」をお客様に押し付けていた。

─ 着こなし方のような要素ではなく、エネルギー。

佐藤:僕が感じている洋服の持つエネルギーを具体的に言うと、例えば自信だったり、自己肯定感だったり、積極性だったり、彼女だったり、結婚だったりする。一見、抽象的でありながら、具体的に今の自分に関係している。だから、単純な見た目だけじゃなく、その服がお客様の将来にどうつながるか、お客様と服との間にあるストーリーをイメージします。

─ 特に、人間は第一印象を大切にしますからね。

佐藤:今の自分を肯定できなければ、その先の未来を前向きにとらえることは難しいと思います。仮に、裸の自分に自信がなかったとしても、人は選んだ洋服のセンスで自分という人間を表現できる。それに気付いた時、洋服は、自分の理想と現実をマッチングするツールだと思ったんです。

─ 何らかの目的があって服を選ぶわけですから、顧客としては共感できますよね。

佐藤:服って実は「買って終わり」じゃないんですよね。いい服を売れば、お客様との間にお店として培ってきた関係が末永く続く。例えば、20代にウチで買い物してくれた人が、30代で結婚して、35歳で家を建てていて、その間ずっと僕のお店で服を買ってくれるというのはとても感慨深いものがあります。もう友達ですよね(笑)。

─ 素敵な関係ですね。

佐藤:結婚式は僕も当事者として経験しましたが、他人の結婚式に関わったこともあります。妻が結婚式のドレスショップを経営していて、そこに携わる中でオーダースーツやウェディングドレスの価値を改めて理解し、今後につながる大事な経験をさせてもらいました。そのような経緯から、僕は妻と「バウリニューアル」商品の開発を進めています。ウェディングを終えた後が夫婦は本番ですから、大きな祭のあとで夫婦円満につながるイベントを提案できないか、模索しています。

自分の「カッコいい」をお客様に押し付けていた。

─ 洋服を通して、人々の暮らしを明るくしたいという気持ちが伝わってきます。

佐藤:洋服には「洋服の枠を超えた感動」というものがあって、究極のところ、僕はそこを目指しています。そのために、アスレジャー・クラフトマンシップ・ソーシャルという3つの軸を作って、自分たちのモノづくりに取り入れています。

─ 品質などの要素ではなく、感動が主体となっているのですね。

佐藤:良質であることは当然です。その上で、洋服は人々の生活に直接関わるツールですから、それぞれの軸に特徴を設けています。アスレジャーは「機能」を最重要事項としていますし、クラフトマンシップには機能に加えて情緒・クラシカルといった要素が加わってきます。さらにソーシャルは「誰のためにある服なのか」というストーリーを背景にしています。

─ 「手に取ってくれた人のための服」をお客様に用意する、ということですか?

佐藤:もっと具体的に言うと「この服は、今の僕のためにあるものだ!」という共感・感動を呼び起こす服という意味です。シチュエーションと言えば分かりやすいでしょうか。

─ 例えば夜の散歩用とか、より顧客のプライベートに寄り添う服、ということでしょうか。

佐藤:近いですね!La Barbaでは【公園シャツ】という商品を販売していますが、子供と遊んでいてもカッコいいお父さんに見えるシャツ、デートの時に公園ではしゃいでもカッコよく見えるシャツ(笑)なんです。もちろん、汚れてもすぐ洗えますし、部分的にニットに切り替え伸縮するので、動きやすくなっています。

─ 大人の服にその発想を取り入れるのは、切り口が新しいと感じました。

佐藤:ひょっとしたら、自然豊かな長野を拠点にしていることも、考え方に少なからず影響しているのかもしれません。僕は長野の他に、東京で外商用の事務所を持っています。だから、新しく生まれる出会いから多くのことを学べ、それを長野に還元できます。自分自身の価値観・考え方もアップグレードされ、会社として地域おこしにつながることにもチャレンジできるようになりました。

─ 経営理念にも変化はありましたか?

佐藤:はい。僕が実践している「トリプルWin経営(三方良し経営)」というのは全企業の基本だと思っているので、現代ではもっと俯瞰して全方位で世の中を見ることが大事だと思っています。だから目標は「十方良し経営」ですね。地球規模で社会問題を考え、その解決策を長野から自分の立場で発信していきたいと思っています。でも、従業員やお客様という世界的に見てミクロの単位において満足してもらえなければ意味がない。自然素材ばかりが全てだとは言いませんし、気に入った服をリペアして着続けることも提案したい。そのために、僕自身ももっと成長できるよう、器を広げられるよう努力しています。

─ 現在働いているスタッフの皆さんは、そのスタンスをどう受け止めていると思われますか?

佐藤:他者の理解というのは、誰しも自分が思っているようにはいかないものですから、僕のメッセージを額面通りに受け取ってくれているとは最初から思っていません。ただ、仕事で結果が出ればそれが答えになりますし、基本的には誰かの意見を前向きに進めるためにはどうすればよいのか、行動を評価する形で考えています。ネガティブな意見にはチェックを入れ、前向きな意見は小さなものでもどんどん前に押し出していく、バルバコーポレーションはそういう会社です。なぜなら、そうしなければ生き残れないことを知っているからです。

─ 最後に、あなたにとって“ハタラク”とは?

佐藤:自社に縁なす人に対して、人それぞれの「カッコよさ」を引き出すこと。感じ方は、みんな違っていいと思います。ただ、僕たちが責任を持って選んだスタイルで、相手が幸せな・素敵なストーリーを紡いでくれることが絶対条件です。「たった一枚の服で人生が変わる」なんて、最高にカッコいい生き方だと思うし、僕たちにとっても幸せなことだから。お客様が気に入ってくれた時は、スタッフ含め自分事のように嬉しくなります。誰かの顔がほころんでくれた瞬間が、自分にとっての幸せ・成功ですね。僕は“ハタラク”ってそういうことだと思います。

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